HOME カウント・ベイシー・オーケストラ ニュース-05.09.13
「タングルウッド・ジャズフェス」レビュー
ジャズ黄金時代を想起させたベネット&ベイシー楽団の好演
9月2日〜4日の3日間にわたり、盛大に行われた「タングルウッド・ジャズ・フェスティバル2005」。スケールアップした今年のプログラムは、1万9千人のジャズ・ファンを魅了した。
初日は、ビブラフォン奏者デビッド・サミュエルスによるカリビアン・ジャズで幕を開け、オリバー・ネルソンの名曲「ストールン・モーメンツ」を見事に聴かせた。そして、3オクターブ半の声域を持つダイアン・シュアのステージでは、ジェームス・テイラーやスティービー・ワンダーの楽曲を採り上げ、とても良い雰囲気を醸し出した。
二日目のハイライトは、トニー・ベネット&カウント・ベイシー・オーケストラのスイング・ジャズ。リーダーのビル・ヒューズが指揮し、ドレッドロックスの髪型で知られるピアノ、トニー・サッグスは音数の少ないかつてのベイシーを髣髴とさせるスタイルのピアノを存分に披露し、ファンを喜ばせた。また、ベイシー楽団とトニー・ベネットのリズム・セクション(Lee Muskierピアノ、Gary Sargentギター、Paul Langoschベース、Harold Jonesドラムス)とが一体となった演奏は、「ジャズとポップスの垣根がなかった黄金時代を想起させた」と、ボストン・グローブ紙は伝えている。また、トニー・ベネットは、出演料を先月大型ハリケーン「カトリーナ」により大きな被害を受けた被災者らに寄付することを発表した。
最終日はテナー・サックスの巨人ソニー・ロリンズが登場し、自己のセクステットを巧みに操り、最高の演奏を繰り広げた。特に、「They Say Falling in Love Is Wonderful」のソロでは、メロディーラインを何度も何度も繰り返していくうちに、その旋律が変幻自在に形を変えていった。そのマジックのような演奏に、観客はスタンディング・オベーションで応えた。
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