来日まであと10日、直前リポート!
13の金管楽器の一致したひと吹きが成す、その迫力のあるサウンド
カウント・ベイシー・オーケストラは今月7日金曜夜、ミシガン州フリントにあるThe Whiting Auditorium で優雅な演奏を披露した。ローカル紙のフリント・ジャーナルも、今もなお脈々と息づくビッグバンドの精神を絶賛した。
当日、会場には約500人の観客が押し寄せた。新しいシーズンを迎えたにも関わらず、集客人数が減少しているという。その決してにぎやかとはいえないその不思議な会場の雰囲気に、オーケストラのメンバーも、そしてフレンドリーで白髪のリーダー、ビル・ヒューズも気に止めることなく完璧な演奏を見せた。
落ち着いていて創作力に富んだ偉大なピアニスト兼バンド・リーダーであったウィリアム"カウント"ベイシーが他界してから21年が経つ。活気に満ちたバンドに欠かせない13の金管楽器の一致したひと吹きが成す、その迫力のあるサウンドはベイシー楽団の特徴の一つである。
金曜日の演奏はそんなベイシーの信念と偉大さを忘れさせないものだったという。味のあるミュージシャンシップ、考え込まれたアレンジ、そしてヒューズの安定した指揮は堂々としていた。"リル・ダーリン"でスコッティ・バーンハートの甘いトランペット・ソロがフューチャーされたかと思うと、"ザ・ヒーツ・オン"では一転して、19人のメンバーが簡単にテンポやムードを変えて見せた。
"ベイシー・パワー"では、今年から加わった新メンバーでアルト・サキソフォンのグラント・ラングフォードが注目を浴びた。ベテラン・メンバーであるテナー・サックスのダグ・ローレンス、リード・アルト・サックスのマーシャル・マクドナルド、表現豊かなベースのジェームス・リーリ、生き生きとしたドラマーのブッチ・マイルス、そして軽やかな音色を出すピアニストのトニー・サッグスも自信と満足感に満ちた演奏で観客に応えた。日本公演での演奏も期待が高まるばかりだ。
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