“スウィングの王様”ウィリアム・カウント・ベイシー（1904～1984）がリーダーを務めた伝説のジャズ・ビッグバンド。2010年、カウント・ベイシー・オーケストラ結成から75周年を迎える。米国で2度の“殿堂入り”を果たし、17回のグラミー賞に輝く。世界70カ国以上の国々でコンサートを開催し、熱狂的なカウント・ベイシー・ファンを獲得し、ハートフルでウィットに富んだサウンドは、“地球上で最もスウィングするビッグバンド”と称されている。

1935年に結成されたカウント・ベイシー・オーケストラの現在の地位をなす一歩となったのが、カンザス・シティの「リノ・クラブ」での演奏で、有名プロデューサーがその模様をラジオで聴いて、すぐにレコード契約をし、大ヒットを飛ばした。
ニューヨークから火がついたバンドの人気は、アメリカ国内にとどまらず、イギリス王室からの招きで英国公演を実現し、日本では昭和天皇陛下へ表敬演奏をするなど、世界を席捲した。有名ヒット曲は多数あり「ワン・オクロック・ジャンプ」や「ジャンピン・アット・ザ・ウッドサイド」などの楽曲は、現在に至るまでスタンダードなジャズナンバーとして世界中で多くの人々に親しまれている。

1984年にカウント・ベイシーがなくなった後、サド・ジョーンズやフランク・フォスターらがベイシーの遺思を継承すべくリーダーの座に就き、その後、創始者ベイシーと長期にわたり活動を共にしてきた、グローバー・ミッチェルが1995年にリーダーの座についた。ベイシーの死から10余年を経た1997年、1998年、カウント・ベイシー・オーケストラは見事2年連続でグラミー賞を獲得。2003年には、半世紀近くカウント・ベイシー・オーケストラを支えてきたベース・トロンボーン奏者、ビル・ヒューズがリーダーに就任し、2004年にはカウント・ベイシー生誕100年を迎えた。ヒューズは、カウント・ベイシーが築き上げた伝統的なテイストとその精神を損なうことなく、若いミュージシャンの現代的な感覚を取り入れ、彼独特のダイナマイト・サウンドを実現させた。
近年では、レイチャールズとの共演作『レイ・シングス、ベイシー・スウィングス』、トニー・ベネットと『スウィンギン・クリスマス』を制作するなど、ますます意欲的だ。