リーダーのデビッド・マシューズは、1970年代後半から80年代初頭にかけて、ニューヨークのジャズ・クラブ、セブンス・アベニュー・サウスで自己のビッグバンドを率い、マンデイ・ナイト・オーケストラとして毎週月曜日に、斬新なアレンジと迫力のあるサウンドで大評判となった。その後マシューズはCTIの専属アレンジャーとなり、ジョージ・ベンソン、グローバー・ワシントンなどのヒット作の編曲を務めた。彼のホーン・アンサンブルは特に定評があり、80年セントラルパークで行われたサイモン&ガーファンクルのコンサートでのホーン・アレンジは伝説的なものになっている。
 このオーケストラの編成は、オーソドックスなビッグバンドの編成とは異なり、4トランペット、4トロンボーン、2サックス、2フレンチ・ホーン、ベース・クラリネット、チューバ、ピアノ、ベース、ドラムから成り、ギル・エヴァンス・オーケストラに似ている。しかしマシューズの斬新でポップ性があるアレンジにより、まさにコンテンポラリーなサウンドを生み出している。

 デビューアルバム『モーニン』がビッグバンド・アルバムとして異例の大ヒットを飛ばし、『モリタート』『危険な関係のブルース』『チュニジアの夜』と毎年1枚発表してきたアルバムも全作ヒット。95年にリリースした『黒い炎』は、ブラス・ロックの名曲(チェイス、ブラッド・スウェット&ティアーズ、シカゴ等)を取り上げた異色作としてスイングジャーナル誌のゴールドディスクに選ばれ、95年度日本ジャズ・ディスク大賞の制作企画賞を受賞した。96年リリースの『黒くぬれ』ではローリング・ストーンズの往年の名曲を、97年『ブラック・マジック・ウーマン』ではサンタナのタイトル曲の初ビッグバンド化や、マイルス・デイビスの「死刑台のエレベーター」などを取り上げ、大きな話題となった。99年には、デューク・エリントンの生誕100周年を記念した『ヘイ!デューク』を、そして2000年に『バッハ2000』をリリース。バロック音楽の大家バッハの作品を世界で初めてビッグバンドにアレンジし、大きく注目を集めた。
 02年にマシューズのプロ音楽生活40周年記念として、大作『サム・スカンク・ファンク』を発表。04年にはファンから最もリクエストの多い人気ナンバー「シング・シング・シング」と「テイク・ファイブ」を収録した『バードランド〜MJO結成15周年記念』を発売し、大ヒットを記録。

 06年の来日記念盤『スウィング、スウィング、スウィング』では、カウント・ベイシー、ベニー・グッドマン、デューク・エリントン、クインシー・ジョーンズの大ヒット楽曲をフィーチャーした。またタイトル・ナンバーは、メロディーメーカーとしての秀でた才能を発揮したマシューズ会心のオリジナル曲。

 07年10月"バーズレコード"レーベルに移籍し、移籍第一弾『イン・ザ・ムード〜プレイズ・グレン・ミラー』(SJゴールド・ディスクを獲得)を発売。ベスト・セラー中である。

 また、08年5月に来日記念盤『スペイン』を同レーベルから発売予定。天才アレンジャー、デビッド・マシューズのセンス冴え渡るアレンジと、オーケストラのスリリングでパワフルなプレイが、ステージを熱くする。
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