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コンサートレポート

2011 年 7 月 25 日 デューク・エリントン楽団 7/24(日)薩摩川内市川内文化ホール

今回のツアーの千秋楽は、ここ鹿児島県薩摩川内市の文化ホールです。青い空に、椰子の木が聳え立っています。なんとも南国らしい風景です。

薩摩川内市の駅前の街灯に、綱引きをしている河童(がらっぱ)のオブジェが。

河童伝説が残るこの地には、400年以上も続く“川内大綱引”という伝統行事があり、日本一の大きさを誇るジャンボ綱を引き合います。

今日は、トランペッター、ジェイムス・ゾラー氏のお誕生日!

リハーサルでは、「ハーピバースディ・トゥー・ユー」をサプライズで演奏。

「これは、特別な思い出に残る誕生日になったよ。」と照れながら喜ぶゾラー氏。

さて、今日のコンサートのセットリストは:

First Set
1. Take The “A” Train     
2. Cotton Club Stomp
3.  Black and Tan Fantasy
4.  Lush Life
5.  The Mooch
6.  Harlem Airshaft
7.  Isfahan
8.  2-4-1
9.  8th Veil
10. Caravan 

トランペットのクリス・アルバート氏。アウトしたフレーズをスリリングに織り込んだソロが魅力。

バンドで最も若い27歳のモーガン・プライス氏ですが、とても落ち着いた雰囲気の持ち主で、ハートの熱いパワー溢れるソロをします。

73年の来日から、何度も日本に足を運んでいるドラマー、マーティー・モレル氏。とても心優しく気さくな方ですが、ステージに立つと鋭い顔つきに変わります。

アームストロングを彷彿とさせるミュートプレイも得意。毎回クリエイティブなアプローチをします。バンドを引っ張る求心力を備え、またオフステージでもとても真摯に音楽に向かう姿が印象的です。

お客様に「拍手、手拍子は好きなだけしてくださいね!」と、優しさたっぷりのリーダー、トミー・ジェイムス氏。とても物腰柔らかで、お茶目で、人望の厚い魅力的な方です。

“プロフェッサー”チャーリー・ヤング氏。知性とブルースを上手くミックスしたアルトは、独特の個性を放っています。

「イン・ア・センチメンタル・ムード」では、妖艶さと哀愁を見事に表現。ペイシェンス・ヒギンズ氏。まじめな風貌とは裏腹に、さり気なくジョークを飛ばしては、メンバーを笑顔にするのが得意。

「キャラバン」のエンディングは、ディオン・タッカー氏が花道から現れました。ソロ・トロンボーンのブルースのシャウトのような盛り上げに、客席が沸きます。

アフリカのエスニックなアプローチも時々垣間見せるトローンボーン奏者、スタッフォード・ハンター氏。

映画「アナトミー・オブ・マーダー(或る殺人)」のテーマ曲をプログラムに選択するところに、センスが光るジェイムス氏。ピアノから指揮を執ります。

トランペッターのラヴィ・ベスト氏は、日本を“第二の故郷”と呼ぶほど、幼少から日本に憧れ、愛してきた方。今回のツアーで、各地のたくさんの人と交流ができたことが何よりのご褒美、とベスト氏。

ソプラノ・サックスで、縦横無尽にフレーズを操るマーク・グロス氏。オフステージでは、彼の笑い声が常に響いてきます。バンドをポジティブな雰囲気にしてくれるムードメーカーです。

「この人のソロを聴けば、どれだけすごいベーシストか、分かってもらえると思いますよ。」とジェイムス氏。ハッサン・アッシュ・シャクール氏の鬼気迫るプレイは、バッキングでも楽しめます。

循環呼吸の1分近いロングフレーズに、お客様もびっくり。ボビー・ラヴェール氏は、編曲にも長け、自己のビッグバンドも率います。教育者という側面も持ち、今回のワークショップでは、素晴らしい指導をしてくれました。

実は、カウント・ベイシー・オーケストラでトロンボーンを担当するアルヴィン・ウォーカー氏ですが、エリントン・バンドの良きサポーターとして活躍しました。日本語も操る大変な親日家です。

 

バースデー・ボーイ、ジェイムス・ゾラー氏。今日は、皆のソロのいたるところでハーピバースデーのメロディーが織り込まれており、温かい祝福を受けていました。

Second Set
1. Things Ain’t What They Used To Be
2. In A Sentimental Mood
3. Johnny Come Lately
4. Anatomy Of A Murder
5. Jack The Bear
6. Mood Indigo
7. Diminuendo and Crescendo In Blue

そして、今日は、アンコールでサプライズが用意されていました。

ジェイムス氏の呼び込みで、鹿児島市を中心に活躍する小学生ビッグバンド「リトル・チェリーズ」が、ステージに登場し、なんとエリントン楽団と共演することに。

彼らの噂を聞きつけたエリントン楽団が、「折角の機会なので、ぜひステージで共演しよう!」ということになり、実現しました。早速、エリントン楽団のテーマ曲、「A列車で行こう」を総勢40名ほどで演奏します。

小学2年生から6年生で構成されるリトル・チェリーズですが、楽団のメンバーは、「アメリカの子供たちに、ぜひ聞かせたい!」と興奮するほど素晴らしい演奏を披露してくれました。

この“夢の共演”に、客席からは、温かい声援と拍手が贈られました。

今回のツアー最後の楽曲は、やはり定番の「スウィングしなけりゃ意味ないね」で締め括りました。

「こんな特別なツアーを提供してくれた日本の皆様に心から感謝しています。本当に、アリガトウ!」とジェイムス氏。3週間におよぶジャパンツアー2011も、これで、幕を閉じることとなりました。

今回のツアーでは、熱烈なエリントン・ファンの方々が、演奏プログラムやアンサンブルの仕上がり、ソロの迫力などを、とても高く評価してくださいました。また、今回、東京、三重、鹿児島で、小中学生のビッグバンドやブラスバンドとのコミュニケーションを図ることができました。未来に輝く子供たちにも、スウィングの輪が広がっていくことを、心から願います。

総帥デューク・エリントンのスピリットは、今も変わることなく音楽とバンドメンバーの胸の中に息づいています。

We Love You Madly… これからも、応援のほど、宜しくお願い致します。

投稿:harmonyjapan | カテゴリー: デューク・エリントン・オーケストラ |
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