HOME カウント・ベイシー・オーケストラ ニュース-05.10.25
ライブ・リポート!来日初日 大阪NHKホール公演!
エネルギー溢れるステージ、熱いオーディエンス!
10月22日に、ベイシー楽団結成70周年を記念した来日ツアーがいよいよスタートした。初日を飾ったのは、緑青あざやかな大阪城を間近に望む大阪NHKホールでの公演。会場には、60年代からの熱狂的ベイシー・ファンから大学ビッグバンドの現役メンバーまで、幅広い層のお客様が集まった。
ステージには、「カウント・ベイシー・オーケストラ」の真っ白いフラッグが誇り高く掲げられ、客席では、これから始まる"世界で最もスイングする楽団"が見せてくれるステージへの期待感に皆胸が高まり、緊迫した空気が漂う。
まず、第一部は『アトミック・ベイシー』収録の人気楽曲「スプランキー」で幕を開け、客席に張り詰めていた緊張が俄かに解け、心地よいスイング感へと変わった。「ダム・ダム」、「ミス・ミズーリ」、「ブルース・イン・ホス・フラット」と、お待ちかねのナンバーが続く。ホーン・セクションの張り裂けるようなアンサンブルとサキソフォンのブルージーなリフは、以前にも増して迫力とパワーを湛えている。また、観客から大きな拍手が贈られたのは、トニー・サッグスのピアノ。随所でとても効果的なソロとコンピングをみせた。
ゲスト・ヴォーカルには、今回が初来日となるメルバ・ジョイスを迎え、得意曲「オール・オブ・ミー」、「恋人よ、我に返れ」などを披露。ブルース・フィーリングは絶品で、サッチモが絶賛したというその歌声には、熱い魂がこもっていた。第一部の締めくくりは、もう恒例となりつつある、ブッチ・マイルスのドラム・ソロをフィーチャーした「ドラム・シング」。見事なスティック捌きは勿論のこと、抑揚に溢れ歌うようなフレーズと絶妙に纏め上げられたソロ構成に、感嘆の声が上がる場面もあった。
リラックスした雰囲気と笑顔に包まれた会場は、第二部から少しずつエキサイティングな"熱気"へと変化していった。ベイシー楽団の代表曲「シャイニー・ストッキングス」で始まり、「リル・ダーリン」、「ベイシー・パワー」など往年のヒット曲を中心に、上手く緩急をつけた選曲となっていた。特に、リーダー、ビル・ヒューズがお気に入りの「フー・ミー?」は、最近聴く機会の少ない隠れた名曲で、往年のファンには嬉しいプレゼントとなっただろう。また、ダグ・ローレンスのテナーサックスやスコッティー・バーンハートのトランペットなど、個性あるソロ・プレイが堪能できるのも、今のメンバーの魅力だ。
アンコールでは、メンバー全員のスタンディング・パフォーマンスに、大阪のファンは惜しみない拍手と喝采で応えた。観客はもちろんのことアーティストの表情も、プログラムが進むにつれますます生き生きと輝きだし、会場はこの贅沢で素晴らしいひとときを共有した幸福感と満足感でなんとも心温まる空気に包まれた。終演後、熱狂的なファンや感激に震える学生のお客様達が、まだ熱気の冷めやらぬステージに近づき、今まで繰り広げられていたショーの余韻に浸っていた。
ステージを後にしたリーダーは、「ショーの始まりはとても静かに緊張感が漂い、ショーの終わりには、この盛り上がりだ。大阪のファンは、音楽の楽しみ方を知っている!」と、ご機嫌の様子。秋らしくベージュ・スーツで統一されたステージ衣装とゴールドに輝く楽器の色彩は、煌びやかで心温まるベイシー・サウンドそのもの。 "黄金のビッグバンド"結成70周年という祝福感に満ちた記念すべき今ツアー、熊本、仙台、そして東京公演への期待に、胸が膨らむ。
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